伊坂幸太郎さんの小説、
「フーガはユーガ」を読みました。感想を書いていきます。
ぼくは表紙がキレイだったので、書店で手に取りました。
他の本を買う予定で書店に入った時見つけて、正直、衝動買いでした。
感想を、思いついた四字熟語と共にまとめます。
物語の核心にはふれないように配慮しております。
ネタバレなしでいきます。
帯に書いてある以上の内容は避けます。
【追記】2021年10月7日、文庫化したようです。
目次
一蓮托生、2人の主人公
主人公は2人です。
しかも双子です。
序盤から、「あ…結構不幸な双子だ…」という印象です。
寝て遊ぶのも一緒。
しんどいことに巻き込まれるのも一緒です。
物心ついたときから、隣にいました。
以心伝心、双子あるある?
ちょいちょい、双子ならでは(?)の
お互いが考えていることが手に取るようにわかる描写が多く、
「あいつならきっとこうするだろう」と行動の指針というか
性格のクセ、微妙に自分より得意な面、不得意な面をどうやって補い合うのか
常にわかりあってる様子が描かれています。
ある種使い古された双子の描き方ではありますが、
どちらも軽妙さや会話のキャッチボールが面白いので気にはならなかったですね。
そこは伊坂節とでも言いましょうか。
悪戦苦闘、暗中模索、満身創痍、、、
しんどいことに巻き込まれながらも、
2人は日々を過ごしていきます。
なんとかしようとしても、
力が足りずどうにもならない…
この2人はどうやら普通ではないので、
嬉しいことも悲しいことも、訳あって分け合っています。
けれど、生きています。2人だったからなんとかやれた。
2人だったから。
閑話休題。
閑話休題という四字熟語が何度か書かれていたような…
数えるの忘れました。
勧善懲悪、紆余曲折、風我優我(これは双子の名前)
もちろん、不幸なことだけじゃありません。
かといっていきなり状況が良くなるわけでもない。
少しずつ、2人の成長とともに物語は進んでいきます。
わずか281ページの短編小説、すらすら読み進めることが出来ると思います。
ジャンルとしては長編小説ですけど、
続きが気になってどんどんページをめくることになるでしょう。
大量にばらまかれた伏線が
ひとつひとつ回収されていくのは痛快です。
そこが伊坂幸太郎さんの作品の面白いところです。
セリフや言い回しがいちいち軽妙で楽しいですし。
読者が望む、結末の「落とし所」をよくわかっている作家さんだと感じます。
【追記】2021年10月7日、文庫化したようです。
おまけ選書、こんな本もあります
おまけで、いくつか近いジャンルの本を選書して置いておきます。
ご参考に。
【元彼の遺言状、新川 帆立著、宝島社、2021年10月06日発売(文庫)】
【沈黙のパレード、東野圭吾著、文藝春秋、2021年09月01日発売(文庫)】