村田沙耶香さんの本「コンビニ人間」感想レビュー。おぞましくて美しい…

村田沙耶香さんの「コンビニ人間」を読みました。

芥川賞を獲って騒がれている時、バタバタしていて読めずにそのままだったので

読めてよかったです。

ずいぶん早く文庫化しましたね

書店で見かけた時、「あれ?もう文庫化したの?」

って感じました。

単行本が出たのが2016年7月、

文庫を見かけたのが2018年9月とかです。

単行本が発売されてから3〜4年してから文庫化ってイメージだったので。

帯には18カ国語に翻訳決定

累計92万部突破

の文字が。すごいですね。

世界的に売れてるからでしょうか。

主人公のクセのあるぶっ飛び方。

主人公はコンビニで働いている女性です。

ですが、クセというか特徴があります。

ひとことで言うと、「合理的過ぎる」

これはほんの数ページ読むだけでわかります。書いてあります。

感情と理性を並べて、理性が勝ちすぎているキャラクターです。

そのことについて周りもひいてしまいます。

度を越えていておぞましいと感じるシーンもありました。

あまり共感は出来ませんでしたね。笑

僕自身、感情の方が勝っているタイプだしなあ…。

人の振り見て我が振り直せ、じゃないですけど…

この作品の登場人物で、

自分のことを棚に上げて、何事も周りのせいにするタイプの

キャラがいました。

正直実在したら真っ先に距離を置きたくなるタイプです。笑

けど、こういう人きっといるんだろうなあ…やばいよやばいよ

少なくとも今の所は近くに見当たらなくて本当によかったです。笑

残念なキャラクターを反面教師にして、

自分を見つめ直すきっかけをくれる本。

そこが本の魅力ですよね。

「みんないっしょ」は幸福か?

「みんなといっしょ」「みんなと同じ」

という感情は仲間意識を高めてくれるでしょう。

けど高齢化、独り暮らしが増えざるを得ないこの先は

普通の人の定義そのものが揺らぐ可能性が高いです。

自分以外の人間に会うのが一苦労って方もあふれるでしょうね。

もちろん自分だけでいいと自ら1人を選ぶ人も一定数います。

この作品はそんな、いつか来るであろう「普通」の定義が揺らぐ未来を想像

せずにはいられません。

だからこそ、芥川賞を獲れたのかなと思いました。

最後の数ページ、ラストシーンの流れが綺麗でした。

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