糸井重里さんが語り手の本「すいません、ほぼ日の経営。」感想レビュー。自発的にクリエイティブになり働きがいある空気。ネタバレなし

糸井重里(いといしげさと)さんのインタビューが書かれた本、

「すいません、ほぼ日の経営。」

を読みました。

昭和、平成の世をコピーライターとして活躍してきた

糸井重里さん。

ぼくがかなり好きな人です。

きっかけはMOTHER2というロールプレイングゲーム。

任天堂のスーパーファミコンソフトでした。

木村拓哉さんが「MOTHER2〜♪」と歌っていたCMは、

当時子供ながらによく覚えています。

糸井重里さんがつくったキャッチコピー

大人も子供も、おねーさんも。」とか

野菜ジュースの「おいしい生活」とか結構好きでした。

あの人のひらがなが、なんだか温かくて好きなんですよねー。

その後1998年、

ほぼ日刊イトイ新聞というウェブサイトを立ち上げ、

色んなモノゴトに取り組みながら前に進み、

様々なコンテンツを生み出します。

そして2017年3月、「株式会社ほぼ日」として東証ジャスダック上場。

当時話題になりました。

世間の目は「ついに…!」という感じだったんじゃないかと思います。

少なくとも、ぼくはいい意味でおどろきました。

なぜ、上場したのか。

そして糸井さんは社長として

どういうことを考えて、経営をしているのか。

知りたい人は

この本でわかります。

この先は、ぼくが思ったこと、感想です。

ネタバレなしです。

例え話がとにかくうまい

インタビュー形式で進む中で、

糸井重里さんがちょくちょくくり出す例え話がとにかく上手いと感じました。

さすがコピーライターで大活躍した人です。

(これはぼくがMOTHER2というテレビゲームを幼少時代何度もプレイして、

糸井重里さんのセリフまわしが脳みそに浸透しているから

すんなり入ってくるのかもしれないですが。)

言葉を使う仕事をしている人は、

小さなことでも気づきがあるかもしれませんよ。

常に考える姿勢

コピーライターとして活躍している時代からずっと、

常に考えるようにしているようです。

思考を止めずに、

前に未来に進もうとする姿勢は、

淡々としてとてもポジティブ。

おまけに飄々とした印象ですから、

苦しさをあまり外に出さない人なのでしょうか。

…まあ、会ったことはないですから実際はわかりませんが。

ほぼ日刊イトイ新聞の文章、ツイッターなどのテキストや

動画などを見ていても、あまりネガティブなところを見ませんね。

それも普段から考えて考えて、

考え抜いているからなのかもしれないですね。

表に出る時には、マイナスに考える段階はもう終わっているというか。

本を読み進めていくうちに、

タテ・ヨコ・ナナメ、

上下左右、など

色んな方向に考えているんだなあと思いました。

本当に?疑うことの大切さ

色んな方向に考えているということは、

罠に陥ったりする場合も当然一度は考えます。

多数決で多数派の方が実は誤った選択であるみたいな

前提が崩れるようなシチュエーションも想定しています。

その上で、より良い選択肢を探し続ける。

その姿勢が社員のひとたちに浸透しているようです。

そして重要なのは空気作り、「場」を作ること。

自律的、自発的、能動的。自分が自分をリードする

社長である糸井重里さんも含め、

ほぼ日の社員のひとたちは

すこぶる自律的で自発的で能動的なようです。

誰かに言われてやるのではなく、

自分からすべきことを見つけ、

実行していきます。

自分の手綱を自分自身が握ってしっかりとリードする。

これは株式会社ほぼ日に限らず

他の会社員、いや他のひとたちにとっても

100年時代を生きていく上でとても重要なことです。

ほぼ日のエッセンスをほんの少しいただきます

糸井重里さんの本、

「すいません、ほぼ日の経営。」

の感想でした。

個人技からチーム戦へ。

コピーライター糸井重里さんが、

どのような心境の変化を経て

株式会社の社長という立場になっていったのか。

1冊でかなり理解が深まります。

著者のところが

「聞き手 川島蓉子

語り手 糸井重里」

という表記になっています。

「聞く方もものすごく鍛錬を積んで凝縮してきている人なんだなー」

という感じがヒシヒシと伝わってきました。

インタビュー形式の文章で、

むつかしい言葉はあまり出てきませんでした。

けっこうスラスラ読むことが出来ます。

ほぼ日の社員のひとたちの、糸井重里さんの、

思考によって生み出されたコンテンツの

芯というか核の部分がちょっとわかったような気がします。

1冊に凝縮されたエッセンス、

おいしくいただきました。

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